教師の話し言葉は子どもに大きな影響を与えます。教師自身がきちんと話すことで授業が引き締まり、学習が楽しくなります。教師が自分の話し方を振り返ってみましょう。言葉遣いは丁寧語を基本にして、多くの子が発言できるように指名し、子どもの発言をしっかり受け止めるようにしましょう。
教師の話し言葉は子どもに大きな影響を与えます。教師自身がきちんと話すことで授業が引き締まり、学習が楽しくなるでしょう。今回は、小学校において教師が注意すべき話し方について考えていきましょう。
教師自身の話し方チェック
教師の話し方は子どもに影響を与えます。ご自身の話し方は大丈夫ですか。一度、振り返りチェックをしてみてはいかがでしょう。
- 全員の子どもが視野に入る位置で話していますか。
- ゆっくりとはっきりと話していますか。
- 一人ひとりの子どもと目を合わせながら話していますか。
- 後ろの子どもまで聞こえる声で話していますか。
- 発問したことを、別の言葉に言い直したりしていませんか。→発問を混乱する子が出てきます。
- 子どもの発問を途中から代わりに言っていませんか。
- 抑揚のない話し方になっていませんか。
いかがですか。あてはまるものはありませんでしたか。
教師の言葉遣い
信頼される教師として言葉遣いは大事です。教師の言葉遣いは子どもの学習環境といっても過言ではありません。教師の言葉遣いは、子どもに自然に影響を与えているのです。
子どもたちと親しくなりたいという理由で友達と同じ言葉遣いにはしないようにしましょう。教師は子どもの友達ではありません。あくまで指導者という立場で信頼を得て、慕われることが大切だからです。
例えば、教師が指示するとき、「ノートを出してください」というのは、正しい日本語といえるでしょうか。教師が子どもにお願いをしている言い方は指示のときには違和感があります。「ノートを出しましょう」「ノートを出します」「ノートを出しなさい」といった言葉を場面によって使い分けるのがよいでしょう。
教師の言葉は基本的に丁寧語で、正しい日本語を話すようにします。
指名上手になろう
授業では子どもを指名することが授業の流れのひとつを作ります。上手に指名することにより授業の流れがスムーズになります。
指名するときはできるだけ多くの子が発言できるように気を付けましょう。場合によっては速いテンポで全員指名という方法もあります。
これは、例えば「このタイトルから何を連想しますか」というようなだれにでも発言できるやさしい発問にすることが大切です。1列ごとに立って、全員が次々と発言していくようにしてもよいでしょう。
発言の少ない子のために、自分の意見を一度ノートに書かせてから発言させるという方法もあります。普段あまり挙手をしない子を指名するねらいで、とてもやさしい発問からスタートしてもよいでしょう。勇気を出して発言したときには、「○○さん。ここのところよく気が付きましたね。とてもよい考えですよ」というように子どもをほめましょう。
子どもの話を受け止める
教師は話すだけではなく、子どもの意見を受け止めることも大事です。話し上手は聞き上手。子どもの意見を「なるほど」「そうですね」「よいところに気が付きましたね」というように、感動したり、納得したりしながら、子どもたちの考えを引き出しながら、一人ひとりの意見を受け止めていきます。
子どもたちの意見が出そろったところで、教師がまとめるのではなく、その意見を子どもたちにまとめさせるようにします。