子どもたちの学習力は、学習習慣やしつけを身に付けることが基本となっています。最初は丁寧に指導し、定着させるようにしましょう。また、子どもたち自身でルールを見つけさせることは自分たちで守るという気持ちがより強くなり効果的です。
子どもたちの学習力は、学習習慣やしつけを身に付けることが基本となります。とくに小学校低学年では、教師の働きかけによって、学習習慣を習得させるようにしましょう。今回は、教育の基本となる学習習慣の育て方についてご紹介します。
段階を追って学習習慣を育てる
学習習慣は、小学校低学年のうちにしっかりと育てるようにすることが大事です。最初の段階は丁寧に指導していき、習慣として定着させるようにしましょう。
学習習慣を育てる手順は、最初は、「教科書を机の上に出しましょう」と指示し、それが全員できたら「筆箱を出しましょう」と指示し、全員が「できました」と言えるようにします。さらに「ノートを出しましょう」と、一つ一つ指示をします。次の段階は、「教科書と筆箱を出しましょう」と指示し、それができたら「ノートを出しましょう」と少しまとめて指示を出します。そして、「これを学習の準備といいます」と教えます。次から、「学習の準備をしましょう」と指示して、全員が指示通りにできるようにするとよいでしょう。
さらに、指名されたら「はい」と返事をさせることやチャイムが鳴ったら席についておくなどの時間を守ること、休み時間にトイレに行くこと、言葉遣いを丁寧にすることなど、基本的な約束事を守るように指導することが大切です。
忘れ物をしたときの指導と支援
忘れ物は子どもの生活習慣に課題があることが多く、その背景を知ることが大事です。保護者にしっかりと持ち物を点検してもらう子やそうでない子など様々だということを認識しておきましょう。忘れ物が多い子には、メモなどを用意し「帰宅したらすぐに明日の準備をすると忘れ物が少なくなるよ」といったフォローをすることも大切です。分度器や定規、赤鉛筆などの学習具などに関してはあらかじめ準備しておくようにしましょう。忘れ物を指導することも大事ですが、それよりその子の学習を成立させることがさらに大事だからです。
ルールは子どもたちで見つけよう
教師がルールを決めることも大切ですが、子どもたち自身で見つけさせることは自分たちで守るという気持ちがより強くなり効果的です。たとえば、「クラス全員が仲良くするにはどうしたらいいかな」というテーマを子どもたちに投げかけます。隣の人と話し合ったり、グループで話し合ったりして、意見を出し合います。「朝のあいさつをする」「みんなが遊んでいるところに『入れてね』と言ってきたら『いいよ』と言って招き入れる」など様々な意見が子どもたちから出るでしょう。それらの意見を子どもたちでまとめるように、教師は導いていくとよいでしょう。子どもたち主体で進めると、自分たちがクラスをよくしているという気持ちでやる気が出てくるのです。
授業のあいさつをきちんとする
授業の始まりと終わりのあいさつは、授業のけじめを付けるうえで大切なことです。気持ちをひとつにして取り組むように、みんなで声を出せるようなあいさつを考えてはいかがでしょう。子どもたちが自分たちで授業の始まりのあいさつをすることで、始まりを意識することができます。それはやる気に直結するのです。「礼」でおじぎをするだけでなく、「お願いします」や「よろしくお願いします」など、あいさつを自分たちで考えてよりよいものにする気持ちを持たせるようにしてはいかがでしょう。