私学には教員の服装に関する規定が設けられているところがあります。クールビズの普及によって、近年ではノーネクタイの教員も増えていますが、だらしなくならないように注意する必要があります。生徒も教員の服装について決して無関心ではありませんので、規定を守りつつ「見られる」ことを意識した着こなしが求められます。
他の学校を訪れた際に、「ジャージ姿の先生がいらっしゃったので体育の先生だと思ってお声をかけたら、実は全く違う教科の先生だった」というような経験はないでしょうか? また、自分が生徒だった時代にはどのような服装の先生が多かったでしょうか? 教員の服装について、時代の変化なども合わせて見ていきましょう。
服装の規定の有無を確認
私学の中高では、就業規則で服装についての義務付けがなされている学校があります。男性はワイシャツにネクタイ着用が義務付けられていたり、場合によっては「白色のワイシャツ」と色まで限定されていたりするところもあるようです。女性であれば、原則としてスカートの着用が求められているケースも。
また、普段の服装は特に義務付けがないものの、学校行事の時にだけ上記のような服装を求めるところもあります。入学式や卒業式で、教員全員が略礼服着用となっているところや、該当学年の担任だけが略礼服着用を求められるところなど、学校によってさまざまですので、それぞれの職場のルールに応じた服装が求められます。
新しく着任した場合は当然のことながらそのルールが分からないことが多く、また、初対面の挨拶を求められたりする場面も少なくありませんので、しばらくの間はスーツを着用して勤務することが無難といえます。その後、周りの先生の着こなしを参考にしながら、自らの服装についても決めていきましょう。
クールビズとの兼ね合い
2000年代以降、日本で「クールビズ」という言葉が普及し、夏季の服装に大きな変化が現れています。男性の場合は多くの職場においてジャケットおよびネクタイの着用が求められないようになってきており、特に公共機関においてその傾向が顕著となっています。
もともと公立学校では明確な服装規定がなく、ネクタイの着用が義務付けられていたわけではありませんでしたが、「クールビズ」が導入されて以来、公立学校でもネクタイを着用していない教員が今まで以上に増えています。そして、私学でも同様の取り組みを行い、保護者の方などに理解を求めているところが増加しています。
ただ、普段のワイシャツのままでネクタイを外しただけだと、場合によってはだらしないイメージを与えてしまう可能性があります。対策として、例えばボタンダウンのシャツなど、クールビズを念頭に置いた服の着用が考えられます。近年はさまざまなお店で「クールビズ対応」としてシャツが販売されるようになっていますので、TPOに応じて着こなすこと可能になっています。
「先生の服装」を生徒は意外と見ている?
教員が思っている以上に生徒は教員の服装をよく見ています。教員の知らないところで、ネクタイや服の柄などが、生徒たちの間で話題となっていることもあるようです。また、無難にまとめようとしすぎて、「あの先生はいつも同じ服を着ている」という印象を生徒に持たれてしまうことも。就業規則を守ることが重要なのはいうまでもありませんが、その中で少し生徒に「見られる」ことを意識した着こなしをしてみてはいかがでしょうか。
教員の服装について見てきました。近年では「スーパークールビズ」として、さらなる軽装の着用が奨励されています。具体的にはポロシャツのほか、かりゆしなどの着用が想定されています。規定については学校によってさまざまで、これらの服装の着用が認められない学校もあるかとは思いますが、いずれにせよ教員にとっては身だしなみについて頭を悩ます機会が増えるかもしれません。