部活動が教員にもたらす3つの「発見」

勤務

教員は教科指導だけでなく、部活動の指導にも多く時間を費やします。今回は、日頃なかなか意識しない、部活動が教員生活にもたらす効果についてあらためて考えます。生徒の意外な一面を見つけたり、他校の教員と交流を持つ機会を通じて、刺激を受ける面も多いはずです。

日本の教員は教科指導だけでなく、部活動の指導にも多くの時間を費やします。今回は、日頃なかなか意識することのない、部活動が教員生活にもたらす効果についてあらためて考えます。授業とは異なる環境に身をおくことで、教員にとってはどのような刺激があるのでしょうか?

生徒たちの意外な一面を発見できる

部活動に参加している生徒は、普段の授業中とは驚くほど異なる姿をみせることがあります。教室では発言が少なく静かな印象の生徒が、部活動でスポーツに真剣に取り組み、時にはチームメイトに大声で声をかけることも。教員にとって部活動の指導は、生徒を1人の人間として多面的に理解する良い機会と言えそうです。

また、生徒からすれば、自分についてよく知り、深く受けとめてくれる教員は大切な存在になります。そういった教員には、より心を開き、信頼をしてくれるでしょう。そして生徒と深い信頼関係で結ばれることで、例えば個々の生徒に本当に適した受験校を紹介するといった、より良い進路指導をすることができるというメリットもあります。

学校外への引率で他校の教員と情報交換

教員は主に学校の中で仕事をすることが多く、年間行事も毎年同じことを繰り返すことになります。そのため、部活動の指導で学校から外に出て仕事をするのは、思いのほか刺激が得られる機会になります。部活動によっては、中高生を対象にした大会があり、顧問として生徒を引率する必要があります。大会を勝ち進んでいけば、県大会、全国大会に出場することができるかもしれません。

大会では普段なかなか会う機会のない他の学校の先生と、お互い情報交換をすることができます。教員にとって、他校の先生から入手できる情報は非常に貴重です。例えば、その年の生徒が受験する学校の傾向などを知ることができ、自らが進路指導する際にも役立ちます。また、教員として同じような悩みを持っていることがわかれば、お互いに励ましあったり、解決策を提案し合うこともできるでしょう。

そして、他の学校の事情を知ることで、自分が勤める学校について外から客観的に見ることができるため、普段気づかなかった自分の働き方について思わぬ発見もあるでしょう。このように、引率の機会が刺激となって、教員としてさらに成長することができるのです。

生徒たちと感動を分かち合える

いつも若い世代の人たちと接することができるのも教員の仕事の特徴の一つです。生徒から影響を受けているからか、教員にはいつまでも若々しく、生き生きとしている人が多いようです。そして、部活動の指導は、生徒たちのパワーをもらう絶好の機会です。

例えば、部活動の中で、生徒たちが困難にぶつかることもあるでしょう。それをサポートするのは教員にとっても決して楽なことではありません。しかし、生徒がなんとか困難を乗り越えた姿を発見するのは、何度見ても嬉しいものです。そうした感動を、生徒と分かち合うことは、教員生活の醍醐味です。

人は年をとるにつれて、どうしても感動をする機会が少なくなっていくものです。しかし、若くて伸び盛りの生徒と日常的に接する教員という仕事は、いつまでも感動する機会を秘めていると言えます。