子どもの読む力を育てるには、音読を好きにさせることが大切です。全員読み、めいめい読み、追いかけ読み、リレー読みなど音読を楽しく実践しましょう。友達の意見で気づいたり、教師がヒントを与えたりして、本人が気づかないところに着目させることが大事です。
読む力を育てることは、学習力を育てることにつながります。子どもの読む力を育てるにはどうすればよいのか、その方法を紹介しましょう。今回は、小学校教育における実践的な指導方法について見ていきます。
音読を好きにさせよう
音読は読む力を育てる大切な基本のひとつ。音読を好きにさせるには姿勢を整えることからはじめましょう。はじめは音読のたびに姿勢を整えるように指導します。また、国語のひとつの単元が終了した時に、会話の文、地の文の担当を決めて、グループで発表会をする活動を取り入れても、子どもたちのお楽しみになります。音読カードを作って目標を立てるなど意欲をわかせる工夫も大切です。家庭の協力を得て、音読カードに記入をしてもらうと子どもが楽しんで取り組むことができます。
音読を楽しく実施しよう
実際、音読を楽しくするには、多様な音読をさせると子どもの興味が深くなります。様々な音読の方法を紹介しましょう。
全員読み
クラスの全員が声をそろえて読む一斉読みをします。全員で音読すると言葉のよさやリズムのよさを感じることができます。やや早めに一定の速度で読むと、音読の力がついていきます。
めいめい読み
クラス全員が自分の速さで読みます。やや小さめの声で読みます。めいめい読みは自分のペースで読むことができるので、気持ちが楽です。音読な苦手な子にも最後までしっかり読むことを指導することが大事です。
追いかけ読み
教師が一文を読み、子どもが同じ文を繰り返し読みます。教師が手本を示して読むので、正しい読みを子どもが覚えることができます。
リレー読み
一人一文ずつリレー式で読んでいきます。マル読みや句点読みともいいます。一人一人の読みを短時間で確認することができる利点があります。グループ内で順番を決めたり、二人で交互に読んだり、教師と子どもが交互に読んだり、バリエーションを考えると楽しいでしょう。
読みを深める
読む活動で大切なことは大まかな内容が理解できると同時に、伝えたいテーマや主題がわかることにあります。物語教材では、登場人物の気持ちになって、吹き出しに書かせる活動でテーマに近づいていく方法もあります。書かせたものを発表し合って、読みを深めていきましょう。子どもの読みを深めるためには、友達の意見で気づいたり、教師がヒントを与えたりして、本人が気づかないところに着目させることが大事です。
筆者・作者の伝えたいところを知る
教材には読ませどころや筆者・作者の伝えたいところがあります。それをすぐに教えないで気づくような指導をすることが、子どもの読む力を育てることにつながります。筆者・作者の伝えたいところは文章から感じ取るしかありません。どのように文章を工夫して筆者・作者が伝えたいところに導いているか、そこを探っていくと伝えたいところが浮き上がってくるでしょう。